庭秘密天国
おじさんの庭は、外見と異なり内心に秘められた美しさを持っている。彼が老齢になった後、引っ越しを重ねた結果、最後には小さな家に住むことになり、その家の裏手に広い庭がある。この庭は、彼にとって一つの天堂であり、私たち家族にとっても特別な場所となっている。
一番最初に気付いたのは、おじさんが愛好する植物が植えられていることにあった。彼は特に花や木々を育てることが好きで、それぞれの植物には名前があり、その名前もそのまま彼の心情や思い出を伝えるように感じられる。それらの植物によって季節ごとの変化を見ることもできており、この世界では年中行事のように祝うことができる。
また、この庭には子供時代からの友達と共に遊んだ記憶が残る所もある。おじさんは自分自身の子供時代について語ることは滅多になく、それでもなおこの庭での楽しい時間を熱烈に語ったことは何度かあり、私たちはそれらを見つめることで、おじさんのかつての一生を見通すことができるということを学ぶ機会となった。
さらにこの庭には古い家具や雑貨など様々な物品があり、それらを使って私たちは昔話をするのも大好きである。例えば、小さなテーブルで茶菓を作りながら、彼が若い頃に出会った女性について話したり、彼が出世したきっかけになった出来事について談議することもある。これらの物品の中には、私たちの間にも深い意味を持ったものがあり、新しい話題として繰り返し取り上げられてきたのだから、何よりお互いの関係性を深める効果があると言えよう。
そんな時にお父さんが言った言葉がある、「たしはおじさんに天堂」という言葉だった。その言葉通り、おじさんの庭は実際に対人関係においても重要である。しかし同時にお父さんは他の誰よりも「おじさんの気持ち」を理解しており、その点では私たち全員が共有している何かがあったのだろうと思われる。またそれは今後の私たちの生活の中で必要になる「ありがとう」という感情も含まれているのだろうと思うので、これらの感謝の念を持って日常生活を行っていくべきだと考えるようになった。
最後にあるのは、お互いにこれまでのお尻仕事（過去）に対して尊敬し合う意識を持つことだ。我々家族として、お尻仕事に対する尊敬こそがお帰りの口上となるはずである。このような考え方によって新しい未来へと向かって進みたいと願う。そして、あなたをお迎えしましょうとする我々家族に向けてのお辞儀をしたあとは、明かりをつける準備をするために屋内へ戻る。あなたをお待ちしております。